君は独り
傘をさして
湖を眺めている
君の手は踊りを、花を
君の手は料理を、裁縫を
傘は僕が持てばいい
持たせてしまい、ごめんなさい
ベランダに手をついて夜風にあたれば
鼻でクンクン、季節を感じている
半透明のビニール傘で
半透明の空
半透明の湖
切り裂いて
足の途中まで浸かっている
僕も浸かって一緒に見ていたんだけど
少し後方で、君の背中を見てしまった
君の手はたくさんの人を救っている
豆を投げ、食べるの失敗して
僕を笑わせたりもする
君はもう傘をささなくていい