つまらないに地上のウソ -山崎明保ブログ-

福島のSinger,Songwriter 山崎明保のブログ

GASUYAに花を

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近所の家が取り壊された。

 

我が家では、通称ガス屋と呼ばれていた男が1人で住んでいた

GASUYA

 

ガス屋なんだが、たぶん無職

仕事という仕事はしていない

それ以上の由来は割愛

 

無職のGASUYA

 

ずっと1人で、いろんなとこをうろうろ歩いていた

スーパーとか街とかうろうろうろ

ときには、コインランドリーのベンチだとか

 

赤い服でメガネかけてて、変な帽子をかぶっていたから、すぐ分かる

 

服装や行動から、ずっと1人でとても寂しいんだろうなぁと思っていた

 

俺がちっちゃいときは、ここでGASUYAは見てなかったから、そんときは親とかが住んでたのかな

 

今年のとある日

最近、GASUYA見ないなぁと思っていたら

 

パトカー2,3台

ドラマでしか観たことない、鑑識と思われる警察官とかがいっぱい来ていた

 

病でGASUYAが死んだらしい

葬式もないし、周りで誰もなにも知らない。

「らしい」ということ以上は分からない

 

すっと消えた

 

なにもなくただ消えた

 

独りってはそうだゎな

見送る人がいないってはそうだゎな

 

なにも振り返れることはない

たまにする挨拶以外、話したこともない

 

でも悲しかったのは、その後の速さ

 

すぐにスーツを着た不動産屋みたいなのが来て

いろいろ測ったり、電話で段取りしてたり

 

そうかと思えば、また別の人らが来て、

家の中のものをすべて外に出して放り投げた

 

カラカラになったかと思えば、

ユンボユンボ

すぐぶっ壊れて

基礎までぶっ壊れて更地になった

 

ひとひとり住むのに、こんなに物があるんだなぁ

ひとひとり住むのに、家ってはこんなに柱があって、家を作れる人間ってすげぇなぁ

 

こんな立派な作りの家をわずか数人でぶっ壊せる

しかもあっという間

人間ってはすげぇなぁ

 

人間ってすげぇ

 

もうなにも残っていない

なにも振り返れることはない、

たまにする挨拶以外、話したこともない

感謝することもない

他の近所の人も話せるエピソードはないだろう

 

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このブログを手向けの花としたい

 

GASUYAに花を。